今回はLooker Studio(旧:Googleデータポータル)でレポートを作るときの操作方法を詳しく解説します。
事前準備と設計
事前準備(データソースの接続)と設計(どんなレポートを作りたいかを考える)については、以下をご覧ください。
» Looker Studio(旧:Googleデータポータル)の使い方|GAレポートを作ろう
ページの追加と基本操作
この項では、どんなレポートを作りたいか?の設計が終わった後、レポートを作る具体的な操作手順を解説します。
ページの追加
まず、Looker Studioのサイトにアクセスしログインします。
» Looker Studio公式サイト
ログインすると、以下の画面になります。
左上の[+作成]をクリックして、[レポート]を選びます。
[データのレポートへの追加]とメニューが表示されます。
事前準備で、すでにGA4と接続をしているので、[マイデータソース]タブをクリックして、お使いのGA4のプロパティを選びます。
右下の[追加]をクリックします。
[レポートに追加]をクリックします。
無題のレポートが作成されます。
以上でページの追加は完了です。
基本操作
Looker Studioのレポートは「編集モード」と「表示モード」があり、両者を切り替えながら使います。
- 編集モード:編集するときに使う
- 表示モード:閲覧するときに使う
ページを追加した直後は、画面の右上の青いボタンは[表示]になっています。これは編集モードになっていることを示しています。
編集モードの時に[表示]ボタンを押すと、表示モードに変わります。ボタン名は[編集]に変わります。
2ページ目以降の追加
2ページ目、3ページ目と追加していく場合は、上部のメニューから[ページの追加]をクリックします。
ご覧のようにページが追加されます。
テーマとレイアウトの設定
レポート全体の見た目を変えたいとき、の説明をします。
メニューから[テーマとレイアウト]をクリックします。
すると、「テーマとレイアウト」というメニューが表示されます。
配色を変えたいときは、ここで好みのテーマを選びましょう。
たとえば、「グルービー」というテーマを選ぶとこんな感じに。がらっと印象が変わりますね。
また、[レイアウト]タブでは、その名のとおりレイアウトを設定できます。
たとえば、[ナビゲーションの種類]で「タブ」を選ぶと、ご覧のように、複数のページがタブ形式で表示されます。
ページの管理
ページの設定をしたいとき、の説明します。
[ページ] > [ページの管理]をクリックします。
すると、[レポートのページ]というメニューが表示されます。
ページ順の変更
赤枠部分をつまんで、上下に動かすことで、ページ順を変更できます。
ページ名の変更
ページ名のところをクリックすると、ページ名を入力できるようになります。
アイコンの変更
右端にある3点マークをクリックします。
[アイコンを選択]をクリックします。
表示されたアイコンのなかでお好きなのを選ぶと、ご覧のように、各ページのアイコンを変更できます。
Step①:グラフとコントロールを追加する
続いては、グラフとコントロールを追加する手順を紹介します。
Looker Studio(旧:Googleデータポータル)の使い方の記事で説明したように、Looker Studioのレポートを作る手順は、以下の3ステップ。
- Step①:グラフとコントロールを追加
- Step②:グラフのディメンション/指標を設定
- Step③:グラフを整形
この項では、Step①の操作方法を詳しく解説します。
グラフの追加方法
編集モードにしたうえで、上部のメニューから[挿入]をクリックして、希望のグラフを選びます。
あるいは、上部のメニューから[グラフを追加]をクリックして、希望のグラフを選ぶ、でもよいです。
例として、メニューから「表」を選ぶと、以下のような表が新たに追加されます。
Looker Studioでは、以下のような多種多様なグラフを選択できます。見たいシーンにあわせて使い分けましょう。
- 時系列グラフ
- 縦棒グラフ
- 複合グラフ
- 円グラフ
- 積み上げ面グラフ
- 表
- ピボットテーブル
- スコアカード
- バブルマップ
- ラインマップ
- 散布図
コントロールの追加方法
コントロールとは、グラフに対して、期間やフィルタを設定するボタン。
Looker Studioでレポートを見る際に、期間の設定は必須なので、少なくとも「期間設定」のコントロールは追加することになります。
上部のメニューから[挿入]をクリックして、希望のコントロールを選びます。
あるいは、上部のメニューから[コントロールを追加]をクリックして、希望のコントロールを選ぶ、でもよいです。
例として、メニューから「期間設定」を選ぶと、以下のようなボタンが新たに追加されます。
コントロールには以下のような種類があります。
- 期間設定
- プルダウンリスト
- 固定サイズのリスト
- 入力ボックス
- 高度なフィルタ
- スライダー
- チェックボックス
- データ管理
「期間設定」は必須で、それ以外には「プルダウンリスト」や「高度なフィルタ」はよく使われます。
Step②:グラフのディメンション/指標を設定する
グラフやコントロールを追加した後は、グラフのディメンション/指標を設定していきます
- Step①:グラフとコントロールを追加
- Step②:グラフのディメンション/指標を設定
- Step③:グラフを整形
この項では、Step②の操作方法を詳しく解説します。
グラフのディメンション/指標を設定する
追加した表やグラフをクリックすると、右側に設定画面が表示されます。
ここで見たいデータのディメンション/指標を設定していくわけです。
例として、ページタイトルごとのPVを表わす表を作成してみましょう。
この場合、
・ディメンション:ページタイトル
・指標:視聴回数(PVのこと)
となります。
ディメンションのエリアで、[+]ボタンをクリックし、希望のディメンションを選びます。今回は「ページ タイトル」を選びます。※ページとタイトルの間には半角スペースが入っているので注意
不要なディメンションは [x]ボタンをクリックして削除します。
指標においても、同様の手順を行います。
すると、以下のように、ページタイトルごとのPVを表わす表ができました。
ディメンションや指標は複数設定できます。手順は上記と同様で、[+]ボタンをクリックして希望の項目を選べばOK。
たとえば、各ページのエンゲージメント率を見たいときは、指標のエリアで [+]ボタンをクリックし、エンゲージメント率を追加します。
すると、視聴回数に加えて、エンゲージメント率の指標を表に追加できます。
このあたりは、GA4データ探索の操作手順と似てますね。
なお、上記は「表」について説明しましたが、時系列のグラフや円グラフについても手順は同じです。
スコアカードの指標を設定する
スコアカードは[グラフを追加]のメニューに入っていますが、グラフというより、ただの数値。でも、最も使用頻度が高いのがこのスコアカードです。
スコアカードを追加すると、右側の設定エリアには指標だけが表示されます。スコアカードただの数値ですから、ディメンションはありません。
あとは、この指標を希望のデータに変更すればOKです。
参考:過去との比較を表示したいとき
[比較期間]のプルダウンをクリックします。
右上の▼の箇所をクリックします。
希望の期間を選びます。今回は[前の期間]を選びます。
するとご覧のように、前の期間のデータからの変化が表示され、分析の手助けになります。
応用:内訳ディメンションを設定する
「内訳ディメンション」を使うと、グラフの表現の幅が広がるのでぜひ覚えておきましょう
以下のグラフは、PVの時系列データでして、内訳として流入元を示しています。
この場合は、
・ディメンション:日付
・内訳ディメンション:流入元
・指標:視聴回数(PV)
となります。
設定方法において、ディメンションと指標については、これまでの説明と同様です。
ポイントは、[内訳ディメンション]の欄に、流入元(セッションのデフォルトチャネルグループ)を設定することです。
設定できるディメンション/指標の注意点
以下の注意点があります。
- GA4にはあるけど、Looker Studioには無いものがある
- どちらにもあるけど、名称が違うものがある
詳しくは以下にまとめたのでそちらをご覧ください。
» GA4とLooker Studioにおけるディメンション・指標の違い&対処法
独自のディメンション/指標を追加する方法
あらかじめ用意されたもの以外に、独自のディメンション/指標を作ることができます。
たとえば、
・ハイパーリンクのページタイトル
・PV数/ユーザー
とか。
作成方法は「計算フィールド」を使います。詳しくは以下をご覧ください。
» Looker Studio(旧:Googleデータポータル)の計算フィールドの使い方【関数の使用例も】
Step③:グラフを整形する
グラフのディメンション/指標を設定した後は、グラフを整えていきます。
- Step①:グラフとコントロールを追加
- Step②:グラフのディメンション/指標を設定
- Step③:グラフを整形
この項では、Step③の操作方法を詳しく解説します。
グラフの整形って何?必要?
Step2までの作業を行えば、Looker Studioで見たいデータを見ることはできます。
ただし、データを確認できても、「見やすさ」の観点でいえば微妙じゃないでしょうか…?
GA4と違い、グラフを自由にカスタマイズできるのがLooker Studioのメリット。グラフを整形して、見やすいレポートに仕上げましょう!
グラフの大きさや位置を変える以外に、グラフの整形で覚えておきたい作業は以下のとおり。
- 表の幅を変える
- 数値を棒グラフにする
- 数値を丸める
- ラベルの大きさを変える
- 凡例の位置を変える
- ディメンション/指標の名前を変える
- 見出しをつける
順に見ていきましょう。
表の幅を変える
たとえば、表を追加すると、ページタイトルが途中で切れることが多いです。これじゃ見づらいですよね。
こんなときは、表の幅を広げると、ご覧のように、見やすくなります。
操作方法はエクセルやスプレッドシートとだいたい同じです。
数値を棒グラフにする
先ほどの表には、セッション数という指標がありました。
もちろんこのままでも悪くないですが、数値を棒グラフにすると、ぐっと見やすくなります。
変更の仕方は、右側の設定エリアで、「スタイル」タブをクリックします。
下にスクロールすると、指標の設定欄があり、[数値]と記載されたプルダウンをクリックします。
[棒グラフ]を選びます。
さらに、[番号を表示]にチェックを付けます。
すると、セッション数が以下のように棒グラフになり、値の大小比較をしやすくなりました。
数値を丸める
たとえば、ページタイトルごとのエンゲージメント率を表に設定したとします。
最初の設定だと、小数点第二位まで表示されてます。
でもこのケースでいえば、そこまで細かい数字は不要ですよね?
そこで、小数点以下は切り捨てて、数値を丸めましょう。
[スタイル]タブの指標のエリアにある[数値精度]のプルダウンをクリックします。
[0]をクリックします。
すると、ご覧のようにスッキリして見やすくなりました。
ラベルの大きさを変える
流入経路ごとのユーザー数を円グラフで作ると、初期設定だと以下のとおり。
でも、パーセンテージの数値が小さくて見づらいですよね。
このラベルの大きさを変えるには、[スタイル]タブ > ラベル > [自動]のプルダウンをクリックして、フォントの大きさを変更します。
するとご覧のように、ラベルが大きくなり、見やすくなりました。
凡例の位置を変える
たとえば、流入ごとのユーザー数を時系列で見る表を作ると、それぞれの流入は、初期設定だと上部に表示されます。
これでも悪くありませんが、凡例の位置は右側に設定したほうが、順位も視覚的にわかりやすいし、スッキリ感も出ます。
凡例の位置は、[スタイル]タブ > [凡例] の欄で行います。今回は、赤枠のように、凡例を右に変更します。
すると、ご覧のように凡例が右側に変更され、スッキリした表に変わりました。
ディメンション/指標の名前を変える
たとえば、ページタイトルごとの視聴回数を示す表を作ったとします。
この視聴回数は、いゆゆるPV(ページビュー)のことですが、Looker Studioでは「視聴回数」というディメンション名です。詳しくはこちらをご覧ください。
» GA4とLooker Studioにおけるディメンション・指標の違い&対処法
ただ、「視聴回数」よりも「PV」のほうがわかりやすいですよね?
こんなときは、ディメンションや指標の名前を変えましょう!
ディメンション/指標の名前を変更するには、[設定]タブにおいて、該当のディメンション/指標の左端をマウスオーバーします。
すると、鉛筆マークに変わるのでクリックします。
ここで、希望の名前を入力します。今回は「PV」と入力します。名前を変更すると、もともとの名称が下に表示されます。
すると、表の指標名が「視聴回数」から「PV」に変わり、わかりやすくなりました。
見出しをつける
グラフそのものの整形ではないですが、グラフに見出しをつけることで、わかりやすいレポートになります。
見出しは「テキスト」を使います。
上部のメニューで、[挿入] > [テキスト]をクリックするか、あるいは、以下の赤枠のアイコンをクリックします。
すると、パワーポイントやエクセルのように、テキストボックスが表示されるので、見出しを入力します。
たとえば以下のように、見出しをつけることで、グラフの概要がわかりやすくなりました。
仕上げ:ページを見やすくする
最後に、ページを装飾する操作方法を紹介します。
Step③でグラフを整形すれば、じゅうぶんに見やすいレポートになっているはず。
ただ、以下の作業をしておくと、あなた自身もしくは、共有するメンバがより見やすくなるので、やっておくことをおすすめします。
- ページのタイトルをつける
- グルーピング用の枠をつける
- コントロールに枠をつける
- ページにアイコンをつける
- ナビゲーションをタブにする
順に見ていきましょう。
ページのタイトルをつける
ページが複数になるときは、それぞれのページで、タイトルをつけるとわかりやすくなります。たとえば以下のように。
タイトルは、テキストを利用します。
上部のメニューで、[挿入] > [テキスト]をクリックするか、あるいは、以下の赤枠のアイコンをクリックします。
グルーピング用の枠をつける
以下のページで、上の半分はスコアカードを並べています。
このままでも悪くないですが、グルーピング用の枠をつけると、ご覧のようにレポートがひきしまります。
この枠は、長方形を利用します。
上部のメニューで、[挿入] > [長方形]をクリックするか、あるいは、以下の赤枠のアイコンをクリックします。
コントロールに枠をつける
期間やフィルタを行うコントロールは、ご覧のように、ちょっと味気ないですよね。
そこで、枠に色をつけたり、角にまるみをつけると、おしゃれ感がでてきます。
設定は、[スタイル]タブにおいて、[背景と枠線]の赤枠部を変更します。
ページにアイコンをつける
ページが複数になるときは、それぞれのページにアイコンをつけると、どのページが何を示しているか把握しやすくなります。
アイコンがついていると、Looker Studioの左メニューがおりたたまれていても、何のページなのか(作った本人は)大体わかります。
ページにアイコンをつける方法は、前述の説明を参照してください。
ナビゲーションをタブにする
ナビゲーションは、初期設定だとご覧のとおり、左にあります。
ただしナビゲーションが左にあると、レポート自体の表示が小さくなってしまいます。
ナビゲーションはご覧のように折りたたむことはできますが、折りたたむと何のページかがわかりづらくなります…。
上記の問題を解決するのが、ナビゲーションをタブにすること。ご覧のようにとても見やすくなるのでおすすめ!
設定方法は、メニューから[テーマとレイアウト] > [レイアウト]タブをクリックし、[ナビゲーションの種類]を「タブ」を選ぶこと。
以上で紹介した装飾を行うと、ご覧のようなレポートに仕上がります。
全体的にスッキリして見やすいし、毎日レポートを見ようという気にもなりますよ。
実際のレポートサンプルは以下で紹介していますので、あわせてご覧ください。
» Looker Studio(旧:Googleデータポータル)のテンプレートやサンプルを紹介!
まとめ
今回は、Looker Studioにおいて、レポート作成時の操作方法を詳しく解説しました。
レポート作成時の参考になれば幸いです。
参考情報;
Looker Studioの全般に関しては、以下の記事にまとめていますのであわせてご覧ください。
» Looker Studio(旧:Googleデータポータル)の使い方|GAレポートを作ろう
また書籍でおすすめは以下です。私も購入しました。
今回は以上です。