今回はLooker Studio(旧:Googleデータポータル)の計算フィールドの使い方に特化して解説します。
計算フィールドを利用すると、データソース内のデータを関数や演算子を使って計算し、独自のディメンション・指標を作ることができます。
結果、レポートの表現の幅が広がるので、ぜひ活用したいところ。
本記事では、計算フィールドの使い方や活用事例を初心者向けにわかりやすく説明しましたので、ぜひご覧ください!
Looker Studioの計算フィールドでできること
計算フィールドを利用すると、データソース内のデータを関数や演算子を使って計算し、独自のディメンション・指標を作ることができます(Googleヘルプ:計算フィールドとは)。
計算フィールでできる操作は、大別すると以下の3つです
- ①:四則演算
- ②:関数を使ったデータ操作
- ③:分岐
順に見ていきます。
①:四則演算
加算:+
減算:-
除算:/
乗算:*
上記の演算子の他に、比較演算子もあります(Googleヘルプ:演算子)。
②:関数を使ったデータ操作
関数とは、SUM()とかROUND()とか。
エクセルの関数と同じイメージ。
関数は50個以上あって、一覧はこちら(Googleヘルプ:関数リスト)。
③:分岐
「もしxxだったら、xxする」のような分岐ロジックを使用できます。
エクセルのif文と同じイメージ。
実際にはCASE文を使います。
詳しくは後述します。
Looker Studioにおける計算フィールドの使い方
計算フィールドの利用方法を簡単に解説します(詳細はのちほど)。
まず、Looker studioの編集画面で右下の[フィールドを追加]をクリックします。
次に、赤枠内に計算式を入力します。
計算式の入力方法は2つ。
1つは、枠内に直接キーボード入力すること。
もうひとつは、左の列からディメンションや指標を選び、ドラッグ&ドロップあるいはダブルクリックすること。
計算式を入力後、保存すると、新しい独自のディメンション・指標が作成されます。
ディメンションの一覧を見ると、あなたが作ったディメンションや指標が表示されるようになります。
このディメンションや指標をレポート内に使っていくわけです。
自作したディメンション・指標かどうかを見分ける方法
ディメンション・指標を独自に作っていくうちに、あらかじめ用意されたものか、自作したものかわからなくなるときがあります。
そんなときの判別方法を紹介しましょう。
ディメンションや指標の一覧を、マウスオーバーしていくと、「fx」と表示されるものがあります。これがあなたが作成したものです。
自作したディメンション・指標を修正する方法
修正したいときは、「fx」の部分をクリックします。すると計算式の入力フォームが表示されるので、修正して[更新]をクリックします。
以上、計算フィールドの使い方の概要でした。
では詳しくみていきましょう!
Looker Studioにおける計算フィールドの実用例
計算フィールドの実用例を紹介します。
- HYPERLINK
- REPLACE
- REGEXP_REPLACE
- CASE WHEN
- 計算指標を使う
関数:HYPERLINK
HYPERINKという関数を使うと、ページタイトルにリンクを付与できます。該当の記事に一発でジャンプできて便利です。
計算式の枠内に以下を入力します。
HYPERLINK(ページの完全な URL, ページタイトル)
最初なので、詳しく解説します。
計算式の入力
計算式の枠内に、HYPERLINKと入力します。
すると関数の候補が表示されるので、クリックします。
すると関数の説明が表示されます。
()の中の引数に、ディメンションまたは指標を入力していきます。
今回の例では、第一引数に「ページの完全な URL」というディメンションを設定します。
左の列から、「ページの完全な URL」を探してクリックします。
すると第一引数に自動で設定されます。
, (カンマ)を入力します。
つぎに第二引数の設定です。
左の列から、「ページタイトル」を探してクリックします。
すると第二引数に自動で設定されます。
正しく入力できると、下のほうに、緑の✓マークが表示されます
フィールド名に、任意の名前を入力します。
今回は例として「リンク付きページタイトル」としました。
最後に右下の[保存]をクリックします。
するとディメンションの一覧の中に、さきほど作った「リンク付きページタイトル」が表示されるようになります。
ではこのディメンションを使って表を作ってみましょう。
レポートの作成
レポートに表を追加して、ディメンションには、さきほど作った「リンク付きページタイトル」を設定します。
するとタイトルには下線がついていて、これがサイト内のリンクになっているわけです。
試しに、どれか1つタイトルをクリックしてみると、サイト内の記事にジャンプするはず。便利ですね!
上記のような手順で、HYPERLINKという関数を使います。
なお、今後は手入力ではなくて、「HYPERLINK( ページの完全な URL, ページタイトル)」をコピペしてもOKです。
関数:REPLACE
REPLACEという関数を使うと、文字列の置き換えや削除が可能になります。
例として、計算式に以下を入力します。
REPLACE( ページの完全な URL, "index.html" , "" )
フィールド名は「index.html除外URL」とします。
上記の意味は、URL内の「index.html」の文字列を「空白」に置き換える、ということ。
結果としてURLの中に「index.html」が入っているものと入っていないものが統合されます。
その他の例
他にも、特定の文字列が含まれる場合に、別の文字列で置き換えることも可能です。
たとえば、横幅が長くなるので、ページタイトルから会社名を除外するなど。
関数:REGEXP_REPLACE
REGEXP_REPLACEという関数を使うと、正規表現を使って、文字列の置き換えや削除が可能になります。
例として、計算式に以下を入力します(Googleヘルプ:正規表現)。
REGEXP_REPLACE(ページの完全な URL,"(¥¥?.*)" , "")
フィールド名は「パラメータ除外」としました。
上記の意味は、URLにおいて、パラメータ以降をすべて除去する、ということ。
結果として、パラメータつきのURLとパラメータなしのURLが合算されて、表示回数などが表示されます。
その他の例:特定パラメータを削除する例
REGEXP_REPLACE(ページの完全なURL,"¥¥?fbclid=.*","")
上記の計算式は、URL内に「?fbclid=」という文字列があると削除するということ。
「fbclid」はfacebookからの流入時に付与されるパラメータです
条件:CASE〜 WHEN〜
CASE〜WHEN〜を使うと、条件分岐を使って、グルーピングなどができます。
例として、計算式に以下を入力します。
CASE
WHEN CONTAINS_TEXT(ページの完全な URL,"seo") THEN "SEO"
WHEN CONTAINS_TEXT(ページの完全な URL,"affiliate") THEN "アフィリエイト"
WHEN CONTAINS_TEXT(ページの完全な URL,"wordpress") THEN "WordPress"
ELSE "その他"
END
フィールド名は「ページ種別」としました。
上記の意味は、ページURLに「seo」という文字列があれば、「SEO」という文字列をつけるということ。二行目以降も同じような感じ。
レポートは以下のようになります。
計算指標を使う
計算指標(四則演算)を使って、既存の指標同士から新しい指標を作成することができます。
計算式に以下を入力します。
視聴回数/総ユーザー数
フィールド名は「ユーザーあたりのPV数」としました。
上記の意味は、ユーザーひとりあたりのページビュー数ということ。
レポート例は以下のとおり。
その他の例:コンバージョン率指標の作成
以下の計算式を入力します。
コンバージョン / セッション
この計算式によって、コンバージョン率という指標を作成できます。
レポートは以下のとおり。
まとめ
Looker Studioで計算フィールドを使うと、独自のディメンション・指標を作成できます。
結果、レポートの表現の幅が広がり、サイト分析に役立ちます。
本記事を参考にして、計算フィールドをご活用ください!
Looker Studio全般はこちらの記事をどうぞ。
>> Looker Studio(旧:Googleデータポータル)の使い方|GAレポートを作ろう
また書籍でおすすめは以下です。私も購入しました。
今回は以上です。